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在りし日の歌のd3のレビュー・感想・評価

在りし日の歌(2019年製作の映画)
4.2
社会主義国家での生活には、外と内、ふたつの世界が存在する。建て前が絶対的な正義である以上、身内意識は強固に結びつく。
外での立場が存在意義のすべてであるからには、身内に対してもただ甘いだけでは成立しない。そこに歪みが生まれる。
中国によるセルフパロディーの感もあり、現代はすべてが開放され自由な雰囲気で描かれているが、過去と比べて相対的な自由に過ぎないことは世界が知っている。
多くの人にとって社会システムに翻弄されながらも必死で生き抜いてきた過去を清算できるリミットが近づいているからこそ、この物語は輝いて見えるのだろう。
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