LEONkei

マンボウのLEONkeiのレビュー・感想・評価

マンボウ(2014年製作の映画)
3.0
初老の男は小さな漁船で今日も寒い海へ静かに出る、孤独という重荷を背をって。

漁師は個々に漁獲量の割当が決められ、乱獲を防ぐ為に好き放題に魚が捕れる訳ではない。

マンボウのように大きなカラダを揺さぶりながら、男は現実の大波に揉まれ海の底に沈みかけている。

このまま静かに沈んで行くのも、それはまた1つの人生かもしれない。

しかし孤独な人間ほど過剰に人の暖かいココロを求めるも、『ひとりが好きなんだ』と自分で自分を慰める。

それは強がりなのか、諦めか…。

結局、人間はひとりで生きているようで、ひとりでは生きてはいけない。

誰かに寄り添い、誰かの恩恵を受け、誰かに助けられ生きている…誰もがだ。

それでも『ひとりが好きなんだ』と言うならば、無人島にでも行くしか現実的には無いだろう。

そもそも『ひとりが好きなんだ』と言う考えが既に他人を意識し、結局人間はひとりでは生きては行けない証でもある。

浮いたり沈んだりするのが人生だと分かっていながら、沈んでいる時ほど視野が狭くなる。

もしあなたが気が滅入ってどうしようもなく落ち込んでいるなら、次の休みに1度水族館へ行って見るといい..★,
LEONkei

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