春陽

屋根裏の殺人鬼フリッツ・ホンカの春陽のネタバレレビュー・内容・結末

3.8

このレビューはネタバレを含みます

イケメン俳優がこの殺人鬼役を演じる事が、フリッツ・ホンカに対しての最大の侮辱だよね。
衛生面ではかなり気分が悪くなるし、性暴行、血液、グロが多めなので、それが嫌いな人は観ない方が良いと思う。イケメンいるけど、イケメンでは出てないしね。

実在するバー『ゴールデン・グローブ』は365日24時間営業で、一日の内にちょっと客をどかして床掃除をするだけの不潔感と煙草の煙で霧の中のような場末感溢れる店に集まる常連は、過去を引きずるアル中と行き場のない年老いた娼婦という、駄目なロイヤルストレートフラッシュと言わんばかりに全部揃った店での常連フリッツ。行き場がなく寂しそうな年配娼婦に酒を奢っては自宅に連れて帰りヤっては衝動的に殺してしまう。昼間のカフェでたまたま居合わせた18歳くらいの女性に煙草の火を貸す。今までナンパしていた年配とは違う若く美しい女性に一気に惚れ込む。出てくる年配娼婦が、ふくよかを通り越して人の体は膨らむな…な体型か、細くてもかさっとした中身どうした?の皮だるな体なので、瑞々しく肌が張り、シワもシミもない老いとは程遠い女の子は天使の様に脳裏に焼き付いたのだろう。その後は、どんなに女性を抱いてもあの娘に対しする気持ちは収まらず、イラつきだけがつのりラストに向かう。意外なラストだった。

映画館のロビーに貼られている、この作品紹介に『シリアルキラー界の凡人』という感想をみて笑ってしまった。全て行き当たりばったりの計画性0で、処理に困った遺体は部屋に隠して消臭剤で誤魔化し、全てお酒で片付けている。確かに。
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