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屋根裏の殺人鬼フリッツ・ホンカのrollinのレビュー・感想・評価

3.4
フリッツ・ホンカは静かに暮らせない

同じシリアル・キラー科に属しながら、吉良吉影とは真逆の暮らしをしている世界一無様な殺人鬼フリッツ・ホンカの熟女マニアックプレイ集。

テッド・バンディをはじめ、近年じわじわキテる殺人鬼ブームの中でも、いよいよ格差というキーワードが浮き彫りになってきました。半天井の独身フリッツ・ホンカは、ある意味ドイツ版『パラサイト』という見方も出来ますな。

'70sドイツのファッションやチャリンコとかめちゃおしゃれやし、ファブリーズでも抑えきれない死臭が漂うホンカの家だって、ウェス・アンダーソンとかミシェル・ゴンドリーとか溜池ゴローが撮影すれば素朴でキュートな仕上がりになっちゃうんだろうなぁ。

実話だから仕方ないんだけど、映画としては欲望を抑えきれない男の惨めな話でしかなく、感情移入の余地も、反面教師としての効能も、そこにシビれる!あこがれるゥ!な外道美学もありまへん。

解体やお下劣プレイを直接見せないという選択が正解なのかは分かりまへんが、アクセントとして振り切ったシーンがひとつくらいあっても良かったんやないか?とも思います。嫌いじゃないよ。
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