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ペトルーニャに祝福をのkyokoのレビュー・感想・評価

ペトルーニャに祝福を(2019年製作の映画)
3.6
大学出の32歳、実家暮らしのウエイトレス、おデブ。
学歴を生かした職に就くことも結婚することもできないまま、日々母親の的外れな干渉に苛立つペトルーニャが、セクハラ圧迫面接でクサクサしている帰り道で出会った女人禁制の宗教行事で、衝動的に十字架をつかみ取ったことから始まる、「幸せの真理」に導かれるまでの1日を描いた100分間。

前半は全くと言っていいほどペトルーニャに魅力を感じることができず、性差別の不条理さに対する彼女の怒りにもなかなか同調することができない。母親の体を思いっきり蹴り上げたのにはドン引いた。十字架を奪い返そうとする男たちのやからぶりも最悪だったけど。北マケドニアは武闘派揃いなの?

男性上位の価値観、その価値観でもって彼女をがんじがらめにしていた母親の存在、それらに対して真正面から対峙し、最終的に「幸せは己の心持次第である」ことに気づいたペトルーニャの顔は美しかった。留飲の下がるラストと言えなくもないけど、結局のところ「女がその寛大な心でもって男を許したら、世界は平安なのよ」ってことのようにも思えて、微妙にモヤる。
アレクサンドロス大王などに興味はなく、別の世界に目を向けていた彼女ならば、もっと違う方法で人生の転換期を迎えられたんではないかと思うのに。

派手めの柄の服、取調べ室の植物園みたいな壁紙、東欧の国らしい色使いが素敵。