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ペトルーニャに祝福をのmoobyooのレビュー・感想・評価

ペトルーニャに祝福を(2019年製作の映画)
3.7
男性優位と云う世界観は、時勢的に消え行くものなのは確かですが、まだまだ根強く残っているのも隠し切れないと、改めて示すヒューマン作品です。

北マケドニアが舞台の映画を観るのは初めてだと思いますが、その小国にですら男女平等と云う意識が出始めているものの、若い男性にもまだまだ男優先の思想がこびりついていて、生半可では改心出来ないであろう実態が浮き彫りにされて行きます。

男だけで行われている伝統儀式で奪い合う幸せの象徴である十字架を、ヒロインのペトルーニャが偶然的に手に入れてしまったことによる波紋は、司祭や警察関係、マスコミを巻き込んで収拾のつかない事態に発展して行きます。

中盤以降、警察に保護されたペトルーニャが体現する理不尽な出来事の積み重ねにより、図らずも成長して行った先で導き出す結論は、予想に反して驚かされます。入り乱れる人々が醸し出すエゴの羅列から見える人間の本質が恐ろしくもありながら、一歩前に進まないと気付けない皮肉は、何とも辛辣な余韻を残します。