KaZui

イエスタデイのKaZuiのレビュー・感想・評価

イエスタデイ(2019年製作の映画)
3.7
💬『スラムドッグ$ミリオネア(原題: Slumdog Millionaire)』、『127時間(原題: 127 Hours)』のダニー・ボイル監督と、『ラブ・アクチュアリー(原題:Love Actually)』、『アバウト・タイム〜愛おしい時間について〜(原題:About Time)』の監督兼脚本を務めたリチャード・カーティスがタッグを組んだ作品。売れないシンガーソングライターのジャック・マリク(演:ヒメーシュ・パテル)は、幼馴染のエリー・アップルトン(演:リリー・ジェームズ)に支えられながらスターになることを夢みて活動している。しかし、自身には才能がないことに打ちのめされ、音楽をやめようと思った矢先に、彼は車に轢かれてしまう。そのとき、全世界で謎の停電が発生。電気が復旧すると、これまでの世界では常識ともいえたいくつかのものの存在を誰も知らない世界となっていた。そして、消えたものの中には、あの「ビートルズ」もいた。周りがビートルズの存在を知らない世界で、なぜかビートルズの楽曲を覚えていたジャックは、彼らの曲を自分の曲として世間に発表することで、スターになろうとする。リチャード・カーティスの脚本だけあってジャックとエリーの恋愛模様については非常に好み。しかし、主人公にあまり魅力を感じられないことが、恋愛映画としてレベルを落としているように感じる。ジャックが富と名声に取り憑かれている感じがあまり出ていなかったので、エリーとの仲違いや、大スターの地位を捨ててエリーの元へ戻るシーンなどにそこまで大きな盛り上がりを感じられなかった。また、音楽映画としても、ラミ・マレック主演の『ボヘミアン・ラプソディ(原題: Bohemian Rhapsody)』やタロン・エジャトン主演の『ロケットマン(原題: Rocketman)』のようなものを期待すると、落胆するだろう。予告編で歌っていた「LET IT BE」を最後まで歌いきることがなかったり、1曲ごと丁寧に映し出すということがあまりない。そもそも伝記映画ではないので仕方ないのだが、ビートルズの楽曲を最大限楽しむには向いていない。ただ、だからといって楽しめないということはなく、それなりに面白い作品ではあったし、本人役で登場したエド・シーランがいい味を出していた。また、「映画だからこそ出来た奇跡」ではあるのだが、とある人物が登場するのもファンにはたまらないだろう。

初鑑賞:2019年10月16日
鑑賞方法:映画館
(札幌シネマフロンティア)
2019年261本目。
10月8本目。

🗣主人公があまり魅力的じゃないのは致命的でしたね。エド・シーランがそこをカバーしていた感じがします。リリー・ジェームズが相変わらず可愛かったのはとても良かったです。
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