ケイスケ

イエスタデイのケイスケのレビュー・感想・評価

イエスタデイ(2019年製作の映画)
3.7
『転生した世界で誰も知らないビートルズのイエスタデイを披露したら音楽業界で無双しちゃってもいいんですか?』的ななろう系ストーリー。ご丁寧に転生の仕方も車に跳ねられるっていう。観る前はハリウッド映画もラノベ化か?と少し不安でしたが…なかなか面白かった!

イギリスの海辺の町に暮らすシンガー・ソングライターのジャックは、幼なじみで親友のエリーに支えられてきたが全く売れず夢を諦めようとしていた。ある日ジャックは停電が原因で交通事故に遭遇。昏睡状態から目覚めると、この世には「ザ・ビートルズ」がいないことになっていた。

まず驚きなのが大人気ミュージシャンのエド・シーランが本人役で出てくるということ。と言っても自分はこの人の曲を聴いたことほとんど無いんですけど笑。『ホビット 竜に奪われた王国』の主題歌をやっていたのは知っています。でも彼、すごく役者顔というか演技がサマになってましたね。

肝心のストーリーですが、予告の時点で他人の歌で有名になるのを葛藤するのが予想できるんですけど、そこまでの経緯がしっかり描かれていて好感が持てます。ビートルズは大抵の人が知ってるからこそのネタも面白いですね。「うーん、ジュードとか古臭い名前だから“Dude(相棒)”でいこう」ってシーランが提案したりね。『ヘイ、デュード』って歌いづらいわ!

ビートルズの楽曲はもちろん最高なんだけど劇伴も良いんですよね。音楽の使い方やストーリーの上手い見せ方はダニー・ボイル監督の得意なところですし、全体的にテンポが非常に良く見やすいのもポイント。ただ、必ずしも話がビートルズである必然性は弱い気もします。

音楽を後世に向けて伝えていく大切さは分かりますが、正直ビートルズは間違いなく100年後でも語り継がれるバンドでしょうし架空のバンドでも一応成立しそうです。あとギャビンが可哀想…こいつ別にいいヤツだし。ただ割と多くの人が面白く感じる作品ではないでしょうか。ビートルズファンの人の意見も聞いてみたいです。