無名のひと

カニバ/パリ人肉事件 38 年目の真実の無名のひとのネタバレレビュー・内容・結末

2.5

このレビューはネタバレを含みます

パリ人肉事件や、佐川純氏の「カニバの弟」の知識がないとまず分からないと思う。
徹底した近接撮影で、見ていて酔ってしまった。
音楽はなく、生活感溢れる窓の外の音まで聞こえる。
佐川一政が、喉を鳴らして水を飲み、菓子を咀嚼する音が、嫌でも人肉食を連想させた。
冒頭、「ルネ」と柔らかく口にしたのにはぞっとした。
佐川一政著の胸糞本「まんがサガワさん」の内容を軽く見る事ができたり、佐川一政出演AVの一部が流れたり、キツい人にはキツいかもしれない。
突如始まる弟の純氏の二の腕嗜虐は、「カニバの弟」での前情報がなくては驚きはあると思う。
兄弟揃って性的マイノリティなのには何かあるのか?と邪推してしまった。
佐川一政は、現在胃ろうで、口からの食事はできないが、人肉食への思いはあると言う。
「奇跡」のように穏やかにその生に幕を下ろすのかもしれない。
被害者やその遺族のことを思うと、苦い気持ちで見終わった。
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