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風をつかまえた少年のTaiのレビュー・感想・評価

風をつかまえた少年(2019年製作の映画)
4.0
飢饉に対して科学で挑んだ少年!

世界最貧国マラウイ共和国で生まれ育った少年ウィリアム・カムクワンバが独学で風力発電機を作りましたよというお話!実話ですd(´∀`)
何が凄いって14歳で学費が払えなく退学となってしまったにも関わらず、秘密で図書室の書物から勉強し風力発電機の仕組みを理解して作り上げたこと!
予告編とタイトルでオチはわかっていても、それまでの悪環境からそこへ辿り着くまでの過程には胸が熱くならずにはいられませんでした。

私の父が「他人にウケる発想というのは一歩先を見ながら半歩先を伝えることなんだ」という事を度々言っていました。
どんなに素晴らしい事に気がついて、実行しようとしても、皆んなが想像する更に先に行ってしまっては、誰もついて来てはくれないという事。
まさに主人公ウィリアム少年がそれでした。
干ばつで作物が育たない。でも、雨が降らなくても地下水がある。水を汲み上げる電動のポンプさえあれば雨頼りでない安定した農業ができる。電力さえあれば!
普通の人ならば、そんなものを用意する資金が無い。それを作り上げるエンジニアをどこから連れてくるんだ?そんな事より明日の食べるものはどうするんだ?そんな考えで頭がいっぱいになってしまいます。
現に作中で飢饉に襲われた時の人々がとった行動があまりにも身勝手で、さらにその先を考えているとは思えないものでした。
しかし、自らとその家族の生活を考えると責めるに責められません。
実際のウィリアムは発電機を完成させるまで、周囲には薬物やら呪われたやらで頭がおかしくなったと扱われたそうです。
そんな中で根本的な問題に独り立ち向かった少年。なんと尊い存在なのか!

そして、本作は俳優キウェテル・イジョフォーの初監督作品です!
脚本・監督兼ウィリアムの父として出演しています。
ただ…実際のウィリアムのお話より大分お父さんにスポット当ててませんか?(笑
しかしながら、国の状況を知ってもらった上で彼がどれだけの偉業を成し遂げたのかを世界に知らせたいという心意気が伝わる丁寧な作品でした。
今後もこうしたメッセージ性の高い作品が作られるのでしょうか。楽しみです^_^

ちなみに本日8月5日は本作のモデルとなったウィリアム・カムクワンバ氏のお誕生日だそうです。
おめでとう!ウィリアム!
32歳ということで、まだまだ国を担う世代としての今後の更なる活躍に期待ですね٩( ᐛ )و
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