Yukiko

風をつかまえた少年のYukikoのレビュー・感想・評価

風をつかまえた少年(2019年製作の映画)
4.5
2020年2月11日
『風を捕まえた少年』 2019年イギリス制作
監督、キウェテル・イジョフォー。

2001年。アフリカ東部の国、マラウイ共和国。
マシタラ村。
14歳のウィリアム・カムクワンバ(マクスウェル・
シンバ)は父(キウェテル・イジョフォー)と母、
姉と暮らす。
大干ばつが村を襲い作物が収穫できず、飢饉と貧困とで
ウィリアム一家は危機となる。
ウィリアムは授業料が払えずに学校を退学になるが、
図書館で一人勉強をし、風力発電のことを知る。
風車を作って畑に水を引くことを思いつく。


キウェテル・イジョフォーさんの長編映画監督デビュー作
であり、映画出演も兼ねる。
ウィリアム・カムクワンバとブライアン・ミーラーの回想
録『風をつかまえた少年』を原作としている。
共著のブライアン・ミーラーさんはジャーナリスト。

ウィリアム一家の普段の生活や食べ物、畑の食物などが
映画の中にごく自然に丹念に表現されている。

Wikipediaの記載を見ると、1994年に小学校の授業料のみが
無料化されたらしいが、ウィリアムが通う中等学校は学費
が必要だった。

飢餓や貧困により食べるものもなく、住んでいる所を見限る
人もいて、学校にも行けず、先々の見通しもない生活……
主人公が直面する現実に、それでも希望をもって、知識と
知恵と知性で八方塞がりの現実を変えようとする行動力が
素晴らしい!

ラストに本人が出演します。

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<マラウイ共和国>
マダガスカルの島に海を挟んで対峙するアフリカの東部。
マラウイはアフリカ東部に位置し、周囲をタンザニア、
ザンビア、モザンビークに囲まれ、南北に細長く、
マラウイ湖という国土の20%を占める大きな湖がある。

(以下、マラウイ共和国について、Wikipediaより転記)

イギリス連邦加盟国である。

経済: 主要産業は農業。
  人口の84.5%が第一次産業に従事。
  生産性が低く、気候変動に収穫が大きく左右される。
  主な作物としてはトウモロコシ。自給作物。
  商品作物として最も有力なものは葉タバコ。
  総輸出の46.6%を占める。
  このほか商品作物としては、砂糖、茶、落花生。
  灌漑設備も整っていないため干ばつに見舞われやすい。
  農地の開墾や燃料(薪炭)用の伐採などによって速い
  テンポで森林減少が続いている。

教育: 2003年の推計では、15歳以上の国民の識字率は
  62.7%(男性:76.1%、女性:49.8%)
  教育制度は小学校8年・中等学校4年・大学4年の
  8・4・4制である。
  義務教育制度は存在しないが、1994年に小学校の
  授業料は無料化された。
  就学率こそ向上したものの、財源や人材の不足など
  により教育の質が低下し、学力の低下が問題と
  なっている。
  主な高等教育機関としては1964年に南部のゾンバに
  マラウイ大学が設立。
  1999年には教員養成用の単科大学として北部の
  ムズズにムズズ大学が設立された。

保健: 国民の健康状態は良好ではなく、HIV/AIDSが
  蔓延しているために平均余命も52.9歳である。
  2007年のHIV感染者は約930,000人であり、感染率は
  11.9%である。
  マラリアの患者も多く、人口の3分の1以上に当たる
  600万人が毎年マラリアに罹患している。
  またマラウイ湖はビルハルツ住血吸虫に汚染されて
  いるため遊泳は危険である。

婚姻: マラウィでは婚姻時に改姓する法的な必要はない。
  とくに北部においては伝統的に改姓しない(夫婦別姓)。

食文化: ンシマと呼ばれるトウモロコシ粉を湯で練って
  作ったものを主食とする。
  多くの場合、魚・牛肉・鶏肉や調理された野菜を副菜
  にして一緒に食べる。
  米やキャッサバ粉から作られた食物も食べる。
  また、畑などに現れるネズミもよく食べる。
  マラウイではネズミはポピュラーな食糧で、よく市場
  で売られているという。
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