dita

男はつらいよ 寅次郎恋やつれのditaのレビュー・感想・評価

3.5
新作公開に向けて過去の寅さんに会いに行こうシリーズ十三作目   

小百合を再登場させるために夫を…っていう意図なら気に食わん!と思いながら観ていたのに最終的にとらやの人たちよりも先に泣く、という安定のメンタルを発揮。おいちゃんの涙にグッときて更に泣いた。

小百合が「いくら思っていてもことばにしなければ伝わらない」と言った瞬間に「小百合=わたし」となったけど鏡を見てすぐに「違うな」と気付いた。あと、寅さんが久蔵様、違った小百合パパのところに行ったのをさくらが責めるシーンで「さくら=わたし」となったけど鏡を見て(以下略)。

あのシーンねぇ、寅さんそれは首を突っ込みすぎでは…と思った。寅さんの性格上そうしちゃうのはめちゃわかるし、結果的に小百合パパが折れたからよかったけど、もし自分がそうされたらとても嫌だなと思った。家族問題に関する私の心の闇は寅さんでも解決出来ないのかもしれないと絶望しつつ、小百合パパの「適当に見繕ってきたから」に隠された愛情にボロ泣きしたので、やっぱり寅さんが正しかったのかなぁ。

人の心を開く手助け、人を幸せにする手助けばかりで、自分の心の奥にある「幸せへの願望」には頑丈に鍵を掛けている寅さんがいつもより辛そうに見えたのは気のせいか。寅さんが思い描く自分自身の幸せって何なんだろう。
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