クドゥー

サイダーのように言葉が湧き上がるのクドゥーのレビュー・感想・評価

5.0
「君の嫌いな君のこと、好きな私が好きと言う」

口下手な少年と口をマスクで隠す少女のひと夏の出会いを描いたイシグロキョウヘイ監督作品は、「竜」という超大作にネットの海からたった一人を見つける意味でのマウントを取り、僕たちだけの最高の笑顔が待っている青春アニメーション映画のオールタイムベスト。

あらすじを読まずに二人の出会いからの世界観の広がりを観てほしい以外に僕から言えることは、想像を遥かに超える程に俳句という題材が豊かな青春の象徴となっていく展開であり、ある活動を通して人柄に惹かれ合っていく過程の尊さに命懸けでなくても泣けてくる。

声劇で憑依型俳優としてのポテンシャルが生きる杉咲花と口下手が上手な市川染五郎のカップル、劇伴ではなく作品の心象風景そのものが音楽言語となって攻めてくる牛尾憲輔スコア、それらをまとめ全シーンポップアートでキメるイシグロキョウヘイ力にブチ抜かれる。



鑑賞記録
2021.07.22
MOVIX橋本8
→素材の味を生かすのではなく素材の味そのものであるパーフェクト上映。視界に誰もいない環境で鑑賞できたことが幸せな一方で、初日の初回で快適な環境となっていることを残念に思う。心の旅のスケールならば、他のどんな夏休み超大作にも負けない。