ホイットモア大統領

ザ・テキサス・レンジャーズ​のホイットモア大統領のレビュー・感想・評価

3.9
テキサス・レンジャー繋がりで鑑賞。

悪名高き銀行強盗、ボニー&クライドが逃亡を続けて2年が経過した1934年。
襲われた刑務所所長は知事にある提案をする…
「コスナーを解き放て。」と…

…て書くとヒーロー映画みたいだけど、実際は「刑事は足で捜査してなんぼ」を地で行くtrue story.

B&Cを追う側の視点で描かれており、当時彼らがいかに人気があったかを見せつけられるのが興味深かった。
既に明らかな真実だし、ネタバレもないと思うので書いちゃうけど、彼らの乗る車が停まれば人が群がり、葬式には万単位の人が集まったとのことで、さながらThe Beatlesのドキュメンタリーで見たような熱狂ぶり。

それでも彼らは殺人者なわけで、撃った警官を仰向けにし、至近距離から顔面にショットガンを撃つ、なんて非道な行いがあったことを盛り込み英雄視を避けている。

対するコスナーもヒーローとしては描かれず、レンジャーといえど人を殺すということの責任に変わりはない、そんなメッセージも含まれているように感じました。
特に「息子は根っからの悪者じゃない」とするクライドの親父との対話は、1つのクライマックスだと思う。

もう1つのクライマックスは、やっぱりラストの銃撃シーン。
その後に映る実際の写真を見てもその壮絶さは窺い知れるが、1本の映画として見た時に、彼らの前に立ったコスナーの心情は相当複雑だったんだろうな…

とはいえ、凶悪犯相手に独自の捜査をするコスナーは『アンタッチャブル』のその後を想起させ、ライフルをリロードするシーンはやっぱり燃える!
前半こそコメディ・リリーフだったウディも、やはり腕っ節は強く、キメる時はキメるカッコいいキャラ!小便長過ぎだけど笑

でも、1934年に女性でありながらこれらの男たちを従えていたファーガソン知事て何者…

脚本自体は2005年には出来上がっていて、その時はポール・ニューマン&ロバート・レッドフォード主演で考えられてたとか。そっちのバージョンも見たかった!