ながみ

映画 すみっコぐらし とびだす絵本とひみつのコのながみのネタバレレビュー・内容・結末

4.2

このレビューはネタバレを含みます

泣ける、と聞いてはいたけれど。子供向けの映画でこんなに泣いてしまうとは思わなかった。
大人であればあるほど、静かに沁みてくる映画だと思う。
最初の方はああ〜かわいいな〜とキャラを見ていたが、情報量が少ないので伏線をしっかり覚えていられた。そのおかげで後半からラストにかけて、「なんでそんなことするの!?」という驚きにじんわりと切なさとぬくもりが滲んでくる。
どこにも居場所のないひよこ。手に入れたと思った仲間たちとは同じ場所に行けない。それでも、大事な友人を元の世界に戻すために奮闘する。すみっコという、どこか寂しい場所にいた彼らだからこそ、同じく居場所を探し求めてきた彼らだからこそ与えられる優しさがあるのだ。
純粋な優しさや温もりに触れて、気付けば本当に自然に泣いてしまっていた。長らく、こんなに優しいものに触れていなかった気がする。
井ノ原さんのナレーションも絶妙だ。わからなくなりそうな部分をうまく補完しつつ、邪魔にはならない。ある種のメタ的視点にもかかわらず、塩梅がちょうどいい。学校の先生のような見守る優しさを感じる。

彼らに、ひとりじゃないよと、そっと心に触れられて慰められた気がした。

とりあえずすみっコぐらしのぬいぐるみを買いたくなった。
ながみ

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