映画ネズミ

映画 すみっコぐらし とびだす絵本とひみつのコの映画ネズミのレビュー・感想・評価

4.5
向いている人:①癒しが欲しい人
       ②真っ直ぐな生き方に憧れる人
       ③自分の居場所に悩んだことがある人

 Amazonビデオで配信が始まっていたので、見ました。劇場で見れなかったのが残念です! すごくイイお話でした!

 すみっコぐらしは、ぬいぐるみとかが売っているのを見たことがあります。1回、友達とゲーセンに行った時にキーホルダーが当たって、家の鍵に付けていますが、キャラクターのことはそんなに知りませんでした。

 今回の映画、すみっコたち(って言うらしいですね)が、絵本の物語の中を冒険していくお話です。

 まず、すみっコたち自身がしゃべらないのがイイですね! 時々字幕が出たり、V6の井ノ原さんがナレーションでツッコんでいく中でそれぞれのキャラが分かっていくので、すみっコぐらしを知らない人たちでも大丈夫です! みんなドジで、臆病で、緊張しいで、でもかわいいです!

 それぞれのキャラが、桃太郎、マッチ売りの少女、赤ずきん、魔法のランプといった有名なおとぎ話の中に入って、いつの間にかその中のキャラクターになっちゃって、物語の設定に振り回されるところは、結構笑えます。
 本上まなみさんの進行ナレーションがギャグ的に利いていて、すみっコたちがあたふたしている様子が、とてもかわいいです。

 個人的には、とんかつ&えびふらいのしっぽのコンビが大好きです!この2人が、赤ずきんの世界に入って行う超絶とっぴな反撃がイイですね!

 こんな感じで、おとぎ話の中で繰り広げられる癒し系的なお話かな、と思っていたら、終盤、急にこのお話のメインテーマが浮かび上がってきます。ここからが必見!

 すみっコたちは、部屋の真ん中ではなくて、端っこが落ち着くタイプの子たちです。つまり、堂々と自己主張するキャラではなく、どこかに劣等感を抱えていて、自分の居場所を探しています。

 そんな彼らが、自分たちと同じかもっと強い悩み、この世界に自分の居場所なんてないんじゃないか、と思っているあるキャラクターに、どんなことをするか。そのキャラクターが、すみっコたちに何をするか。ここは本当に号泣ものです。

 居場所がない人なんていないよ、みんなが大事な存在なんだ、というテーマが、大きく浮かび上がります。そして、遂に居場所を見つけるラスト。

 私・ネズミも、多少は劣等感も抱えていますし、挫折や孤独を味わったこともあります。それでも、この映画は私の心に強烈に響きました。

 劣等感、挫折感、孤独を感じたことが一度でもある人なら、誰でも共感し、感動できる、とても温かく、優しいお話です。

 普段映画で見ている、血みどろや、人間のダークサイドを忘れて、こんな世界に浸ってみたい!そう思える映画でした。
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