GT

映画 すみっコぐらし とびだす絵本とひみつのコのGTのネタバレレビュー・内容・結末

3.8

このレビューはネタバレを含みます

少し前に話題になっていた本作。「泣ける」と話題になっていたが、本当にちゃんと泣ける作品だったので驚いた。
パッケージを見れば分かる通り、そのキャラクター達はとても可愛らしく、そんなキャラクター達がちょこちょこと動く様はそれだけでも癒される。ただ可愛らしいだけでなく、「すみっコ」という名の通り、例えばとんかつの切れ端や海老フライのしっぽといった所謂外れ物であり、外れ物同士が部屋の隅でコミュニティを形成している、という些か物悲しい設定がある。
そんな彼らが絵本の世界に迷い込み、そこで出会ったひよこの家を探す、というのが本作のあらすじ。本の世界の冒険は何となくとっ散らかった印象があってあまり面白いと感じなかったが、それでも優しい鬼や抜けた狼など、可愛らしいキャラクターとの掛け合いは癒される。
ひよこの正体は実は誰かが本に書いた落書き、という事が終盤に判明する。彼も外れ物だったわけだ。そんな彼に一緒に来ることを提案するすみっコ達。そしてそれを喜ぶひよこ。だが本の中の住民は外に出ることは出来ない。この別れのシーンは、今まで出てきた本のキャラクターが助けてくれる展開だったり、そのゆるく表情に乏しいキャラクター造形が逆に別れの悲哀を誘ったりと、かなり泣かせるシーンだ。結局すみっコというコミュニティにも絵本の中というコミュニティにも入れなかった、本物の外れ物になってしまったひよこだが、すみっコ達は白紙のページにひよこの仲間を書いてやる。最後絵本の中のひよこが少しだけ笑って、この映画は幕となる。上映時間も短く手軽に見られ、ありがちな結末ながらしっかりと感動させてくれる佳作だ。
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