ベンジャミンサムナー

チャイルド・プレイのベンジャミンサムナーのレビュー・感想・評価

チャイルド・プレイ(2019年製作の映画)
3.5
「その人形、意思があるの?」

本作は『チャイルド・プレイ』ではなく『トイストーリー5』だ!

※以下『トイストーリー4』のネタバレ有り

本来『チャイルド・プレイ』は殺人鬼の魂が人形に乗り移り、生身の人間の身体を手に入れる為に奔走する話だった。
本作のチャッキーは元々意思(AI)が備わっており、アンディのためによかれと思って猫や人を殺す。

オリジナル版の頃から男の子の名前がアンディだからジョン・ラセターも意識してたんだろうけど、この設定によって『チャイルド・プレイ』はいよいよ『トイストーリー』の恐い面を浮き彫りにする作品になった。

アンディの愛を独占するために邪魔者を排除する。それは一作目のウッディと同じだし、なにより『トイストーリー4』のラストで個人的には、

「完全に人間の手を放れて自立して生きるオモチャが出てくるなら、最終的に『ターミネーター』の様にオモチャが自由を求めて人間に宣戦布告する未来がくるんじゃないか?」

…というモヤモヤと恐怖を覚えたが、本作終盤のオモチャ屋での殺戮シーンはまさにその時想像した悪夢の具現化である。

『トイストーリー4』はもはやタイトルである「オモチャの話」から逸脱して、しかも『トイストーリー3』のアンディの想いを裏切ってまで『ブレードランナー』みたいな話をする必要があったのか?
と思ったが、本作がこの設定で『チャイルド・プレイ』をリブートするのなら、なおさら『トイストーリー4』でああいう話をする必要がないように感じた。

ただ、チャッキーのリミッターが外れる経緯は雑に感じたし、不良品でなくてもあんなブサイクな人形夜中に並んでまで買おうとする輩がいるのはスゴく違和感があるが(笑)。