この手のゲテモノ映画に涙してくれるような女性と人生を共にしたい。
一見、暴力的でグロいだけのヒーローものに見えるが、本質は、かすかに残された記憶をよすがに、失われたアイデンティティーを探し求める男の姿が切ないハードボイルド。
そういう意味でも、リメイク版のいかにも最先端でスマートなルックスで軽やかで敏捷なアクションより、オリジナル版のレトロ・フューチャーな外見でギーガッチャンギーガッチャンした武骨な動きの方が胸しめつけられて哀愁3倍増し。「嗚呼オレはこんな姿に変えられてしまったのか」と。
そして型番ではなく、自らが何者であり、何者として生きていくのかを宣言するラストの一言に喝采。それ以上は一切語らない無駄のなさに清々しい余韻。