きまぐれ熊

シティーハンター THE MOVIE 史上最香のミッションのきまぐれ熊のレビュー・感想・評価

4.1
実写化の類稀なる成功例としてもう少し有名でもいい気がするシティハンター実写化映画。
ジャケットで若干のイロモノ感が漂うけどシナリオの出来では見事に換骨奪胎した作品なので個人的には最新のアニメ作品よりシティハンターしてると思う。

お色気部分も結構攻めてる。
変な色気を出した結果、小綺麗にまとめた説教くさいシナリオで逆にエロが一切なくて興醒め、みたいな心配も一切ない。
人を選ぶな〜って思うのはむしろ脇役のクセの強さで、サブキャラが変な奴ばっかりなんだよね。若干やべー寄りの奴ばっかり。笑えるんだけど。
これ監督の持ち味なのかな。

その主役兼監督のフィリップ・ラショーはイケメンと3枚目を行き来する冴羽獠を見事に演じてて、隙の多さがむしろリアルで漫画より現実にいそう。香役の女優もそうで、衣装もきっちり合わせてきてるのにそういう見た目の部分なんかより、もっと芯の部分をしっかり掴んでて漫画より現実感があるんだよね。日本の実写化ではなかなかこういう例って見たことがない。

再現度の上での欠点を挙げるとすれば新宿が出てこない事くらい。つまりほぼ完璧。

その上、別にシティハンターを知らずに観ても笑えるアクションとして質が高いので単体の映画として観ても普通に楽しめる。
特にクライマックスでJETのAre you gonna be my girlに合わせた銃撃戦はコメディ要素とセクシーさも相まってかなりハイセンス。

そんな感じで、エンドロール5分前まではオモロいアクションだったな〜って感じなんだけど、
最後のラスボスとの決着方法があまりにも粋でオシャレなのと、Get Wildが流れる一連の流れが神掛かってるお陰で、ここで満足度が爆上げする。
むしろこのシメを見るための1時間半と言っても過言ではないレベル。

ちなみに字幕版でもちゃんとGet Wild。
そのあとフランスローカルでのテーマソングに切り替わる。
と言うことはつまり、フランスでは当時流れていなかったGet Wildをわざわざ流したということなので、そこだけ取ってもいかに原作に対するリスペクトがあるかよく分かる。

普段映画は字幕版でも観ることが多いんだけど、この映画に限っては吹き替えを強くお勧め。
吹き替え版は獠や香、海坊主や冴子など原作通りの配役名の脚本になってるので日本人なら絶対に吹き替えで見たほうがいい。Get Wildがフルで聴けるのも吹き替え版だけだし。
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