世の中には、自らを極限状態に追い込み、死の淵の傍に嬉々として近付いていく人間が少なからずいる。
その行為は命知らずの馬鹿と呼ばれることもあるし、時には偉業と呼ばれることもある。
本作のアレックス・オノルドがフリーソロでエル・キャピタンを登頂する行為はその両方だろう。
前半はアレックスとその仲間達の登頂に至るまでの準備期間で構成されてるが、途中アレックスが彼女に対し言っていた「どーせ、俺が死んだってまた新しい彼氏を作るだけだろ」的な投げやりな人間性も映されてるのが何だか可愛くて良い。
そして、後半は自然の壮大な美しさの中にポツンと一人命綱無しで登頂するアレックスの姿が映されるが、この生と死のコントラストは圧巻としか言いようが無い。
