アレックス・オノルドと言うロッククライマーのドキュメンタリー映画。なんと言っても凄いのは、フリーソロと言う命綱を使わずに断崖絶壁を登る、高所恐怖症でなくても見ているだけでムズムズしてくる作品。
アメリカのヨセミテ国立公園にあるエル・キャピタンと言う、高さ1,000mもある1枚岩を、命綱無しで登るアレックス・オノルドの命懸けの挑戦を追ったドキュメンタリーは、言いしれない恐怖と緊張感で、観ているだけで吐き気がしてきた。
中盤迄は彼のこれ迄の偉業や生い立ち、彼女の存在やトレイニング中の失敗と怪我、フリーソロと言う普通の人なら絶対挑まないこのスポーツの怖さや、これ迄挑んできた名だたるクライマーの死など、絶妙な前置きもあり終盤でのクライミングは、心の底から観ていて痺れたし疲れた。
プロクライマーでも二の足を踏む最難関とも言える巨岩に、8年越しで挑む彼の心境や、作品に携わった人達、家族や彼女の気持ちなど、考えれば考える程何とも言えない気持ちになるし、成功するとは分かっていても最後はとても胸が熱くなった。ラスト巨岩の上に立つ小さな彼の姿は、神々しささえ感じたし涙が溢れてきた。
