フリーソロの作品情報・感想・評価

上映館(5館)

「フリーソロ」に投稿された感想・評価

kaorui

kaoruiの感想・評価

3.5
男子なら誰もが一度は夢見る最強への憧れ。自分の肉体への信頼、そして緻密に積み重ねた鍛錬と実地検証が死への恐怖を上回ったとき崖にへばりつく。
それはいつでも、いますぐにでも、いまここではじめられる。
いつ始めるのか?その緊張感が撮影クルーにヒリヒリした空気をもたらす。
明日行く。皆の中に確信が広がる。これはもうドキュメンタリーでしか拾うことのできない映画的エクスタシーをカメラは収める。


キャンピングカー生活いいかも?観終わってマジでキャンピングカーの中古車を検索したけれど、意外に面倒くさいことがわかり断念した最弱な僕。
3Dで見てナンボのタマキン浮遊映像集だろぐらいの気持ちで観に行ったら、いやいや良かったですよこれ。

「全く興味のない競技」かつ「全く知らない人物」のドキュメンタリーにもかかわらず、序盤から完全に釘付けになってしまっていたのには自分でも驚き。

映像が異常に美しくて、壮観で、そして恐ろしく、畏ろしかったです。
山の映像はそれだけで本当に凄すぎて、最後の登ってるとこなんかもうBGMすら余計に感じてしまった。
リアルに1秒後に死ぬかもしれない状況。
よく劇映画の描写であるけど、足場の岩がボロッ!って崩れたりしたら即死なんよね?...なんよね?

でも興味深いのは、単なる命知らずの冒険野郎なのかと思いきや、意外にもちゃんと(?)死を恐れていて。
一手一手が綿密に計算されており、入念なリハーサルに基づいているという。いや、そりゃまぁ失敗=死なわけで、当然っちゃ当然ですけど。

しかしそうは言っても、あんな小さなくぼみ(とも認識できぬほど微かなもの)を頼りにどうしてあのツルツルの断崖絶壁に貼り付いていられるのか...サッパリわかりません。
あと何故あんな所に着ぐるみ姿の人がいるのかも笑

エンドロール後に無音で
「アレックスはこの翌年、○○で滑落死した」
って出るパターンなんじゃないかとドキドキしましたが、インスタみたらご存命のようでなによりです。
でもこういう人って、いつの日かやり切ったと満足して、無事に辞める日は来るんだろうか...。

案外語られない「撮影する側の苦労や葛藤」も同時進行で捉えているのがまた良い。
登る主人公のメンタルは常人にはどうにも理解し難いけれども笑、撮影隊の葛藤はストレートに刺さりました。
「大義でなく、最善を尽くせ」
「自己嫌悪をバネに、さらに高く」

命綱なしで、険しい岩肌を登るアレックス。MRIを受けると、扁桃体の辺りにあるべき反応がない。脳の機能に異常は一切ない。ただ、並の脅威では、恐怖を感じなくなってしまっただけ。

私はこのエピソードに感動してしまった。人間は意志の力で、人体さえつくりかえることができる。私たちは何者にでもなれる。

アレックスの挑戦ともう一つの軸で、彼自身について深く知っていく過程があった。1人の人間とここまで向き合うことができるのか。

共に山に赴く彼女のミスで、怪我をするアレックス。それでも彼は責めないし、彼女も悪びれない。彼女はあくまでWeで物事を捉えている。2人で立ち向かっていくことだから、後悔には沈まない。

監督やカメラマンたちの葛藤をしっかりと映しているのも印象的。撮影することに反対のクライマーの意見も、しっかり映し出す。

フリーソロという究極のドキュメンタリー、そして、それを撮影する姿のドキュメンタリー、二重構造が上手く作用して、よりリアルを感じられました。
映画に「非日常」を求めるなら
究極とも言える作品。

勿論、ドキュメンタリーであり
お母さん、恋人、支える友人たち
総て現実、実在しているんだけど
あまりに私の知らない世界過ぎて~

当然の事ながら、映像は迫力満点。
指の先の一本がどこを掴んでいるか
はっきり見えるカメラワークに
驚かされます。
切り立った崖を俯瞰した図は
どこからどうやって撮ったのか。

あらっ、やっぱり私意外に冷静。
現実と受け止められていないのでした。
MakotoAiba

MakotoAibaの感想・評価

3.8
ノンフィクションなのに、フィクションに見えてしまう。とてつもなく、困難な挑戦なのに。感動するかと思ったら、それとは違う言葉にしにくい感覚を感じた。
pilotis

pilotisの感想・評価

4.5
とにかくすごかった。。素手で綱無しで崖を登り切る。それまでの鍛錬と微細なチェック。超広大な大自然(その中にいる赤Tシャツのなんと小さいこと)も文字のグラフィックも美しい〜。自分にプレッシャーを与えないよう、登る日を人に伝えないから、カメラマンたちも「彼が登っている」とちょっとした自然物みたい。彼らも最中は生きた心地がしなくて見ていられない。

こんなに無茶で生死を分ける行動をすれば性格って変わると思ってた。「フォー!!!!!」とか叫びそうなのに彼自体は内気で、成功しても「叫びたい気分だ」叫ばないし「まあ泣きたいけどね」泣かない。素の性格って変わらないんだなぁ。目が爛々。
こち

こちの感想・評価

4.0
命綱なしで絶壁を登るクライマーのドキュメンタリー。さすがナショジオ、素晴らしい撮影と編集でした。
生への執着、死への恐怖を超えた主人公のクライム欲求に鳥肌がたつ。岩を掴む音と呼吸音しか聞こえず、こちらも色んなとこに力が入ってしまった。
更に主人公の思想だけでなく周囲の人の考え、特に撮影隊の葛藤が伝わってきて涙。撮影しないとこの映画自体無くなるけど、自分達のカメラで主人公にプレッシャーを与えると、最悪命を落とすことにもなる。心理的にも辛い状況で撮影を続けた撮影隊と、もちろんそれを許可した主人公に拍手を。
so

soの感想・評価

3.5
命をかける姿というのは心を揺さぶられるものだ。
しかも、その目的が金や名誉のためでなく、ただ挑戦のためだけであるとすれば、なおさらだ。
前人未到のフリーソロに挑むアレックスが、断崖絶壁をロープなしで手と足だけをつかって登っていく姿は私たちに自問を促す。
私たちは何故生きているのか?
私たちはどう生きるべきなのか?
こうき

こうきの感想・評価

4.7

このレビューはネタバレを含みます

この映画は映画館で観なければと思い、急遽スクリーンで観ることに変更した。

殆どの映画がフィクションであるんだけど、これからどんな映画を見ても「生」と「死」をこれ以上に意識できる作品はないかもしれないとさえ思った。

アレックスは明らかに生死の境地に立っていて、到底同じ世界の人間とは思えないが、人間味を帯びたガールフレンド、友人の存在が、彼をギリギリのところで人たらしめている存在として私に認識させてくれた。

彼が登頂し、笑顔や泣きたい様子を見た時に彼にとって「生きる」感覚を味わえるのは本当にココしかないんだと感じたし、

「幸福な家庭では何も起こらない」という言葉が教訓のように自分に残っている。

私もスポーツを15年ほど真剣に取り組んできて、心に鎧が必要だと思うことはあるが最近忘れていたようにも思う。彼のように「死」を受け入れるまでとはいかないが、少なくとも一方を天秤にすらかけれないようなモノに没頭し、そこでしか「生」を感じられない人生をしたい、するべきだと思う。
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