モスマンは実在する

SKIN 短編のモスマンは実在するのレビュー・感想・評価

SKIN 短編(2018年製作の映画)
3.8
精神的な苦痛の描写が良かった。若干ありえないように思える拷問描写だが、その苦しみから、当人が抱いていた考えそのものの極端さが現れていて面白かった。「目が覚めたら大嫌いな虫になっていた!うげ!」といったファンタジーであるような嫌悪感が現実でもあるとしたら、こんな感じなのだろう。こうしたどストレートなネタ一つを突き詰めて描くのに22分の尺が丁度良かった。

日本にも「日本人であることが生きがい!」みたいな人が沢山いるので全くもって他人事でない。こういう人の多くは社会からあぶれてしまって一番レベルが下の受け皿である「〇〇人」などといったしょうもない分類にすがりつくしかなくなってしまった場合が多い。そういう人達が全て人間として間違っているという訳ではないし、人として接してみればいい奴だったりする。ただ心の拠り所として排他的な考えに染まってしまっている場合もある。自分も、そういう人を逆に差別して考えてしまいがちなので気をつけたい。

自分のWi-fi環境が悪いせいか、数秒感覚でフリーズするので忍耐力を鍛えられた。極端な例だけども、映画にはある程度スピード感がないと内容が頭に入ってこないのだと改めて感じられた。