マーゴット演じるケイラが密室で脚を見せろって言われたときの、「あれ?」っていう間、どんどんエスカレートする要求に対して戸惑いと恐怖をごまかすための子どもっぽい仕草とおちゃらけた作り笑い、そうやって冗談っぽく笑うことで「ジョークだよね?ほら、わたしからそういうリアクションとるからちゃんとうそだよって笑って普通の姿に戻ってね」っていう空気を作ろうとする精一杯のむなしい努力、身に覚えがありすぎてきつかった。セクハラされるたび、痴漢に遭うたび、属性で見下されるたび、そんなことされた惨めな自分を認めるのが辛くて「あ、でも思い違いだったかも!」ってまさしくあんなふうに笑った。うっかり勘違いしたという説得力を出したくて、とくべつ無邪気な感じで何百回もそうしてきた。