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ザ・ダート: モトリー・クルー自伝のKKMXのレビュー・感想・評価

4.0
ネトフリで発見したオリジナル作品。80年代に人気だったメタルバンド、モトリー・クルーの伝記映画。結構面白かったです。

内容は典型的なロックスターの浮き沈み物語でした。ヤンチャな若者たちが集まりバンド結成〜ブレイクして人気になるとドラッグやアルコールでバンドはグチャグチャ〜どん底でバンド崩壊しかけるもそれぞれメンバーが難局を乗り越えて復活…という感じです。モトリーは特に浮き沈みがハデですが、割とどこもおんなじだなぁと感じます。大抵絶頂期にツアー三昧となり、そのあたりで歯車が狂うパターンが多いですね。

本作の良さは、4人のメンバーそれぞれにスポットを当てていたことです。なので駆け足感は否めないものの、4人のパーソナリティや関係性のダイナミズムを感じることができました。ちゃんとミック・マーズの話も描かれているのは素晴らしいです。フレディだけに焦点を当てていたボヘラプに比べると、バンドを描くことについては本作の方が良心的でした。
なんだかんだとモトリーはこの4人で頑張ってますからね。昔はあまりのIQ低そうな感じがイヤでバカにしてましたが、苦難を乗り越えて続けているのは凄いです。モトリーを好きになりました。


キャラは4人4様。リーダーのベース・ニッキーは機能不全家族に育った愛に飢えた男。彼の愛を求める物語が核になっており、バンドこそが彼の帰る場所であることも伝わりました。その意味でも本作はニッキーの救済の物語でもありました。
歌担当のヴィンスはセクロス狂のバカでしたが、いろんな悲劇に見舞われて少しずつ大人になる男でした。ヴィンスは面構えが一番変わったように感じます。

個人的に魅力を感じたのがギターのミック。元々年齢が上で、皮肉屋だけど落ち着いており、ドラッグにハマらず絶対にペースを崩さない。彼がいたからこそ、バンドが完全崩壊しなかったんだろうなぁと感じました。彼のようにテンションを一定に保てるメンバーがバンドにいると、バンドが続きやすいような印象です。ストーンズの聖チャーリーとか!
ドラムのトミーは可愛かったですね。しょうもないバカではありますが、愛情に溢れた家庭で育っていて、滲み出る人の良さがたまらなかったです。

あと、一瞬出てくるオジー・オズボーンがイカれすぎている!マジでキチGuy度のレベルが違う。いきなり蟻をコカインのように吸いはじめたり、プールで小便してナメようとしたり、最高すぎました!オジーはこの時期のことほとんど覚えてないらしいっすね…よく生き残れたな…


正味90分くらいで、かなりタンパクな作りでしたが、悪くはなかったです。ちゃんとバンドにスポットが当たっているのが良かった!ほんと、繰り返しますがボヘラプはフレディばっかだもんな〜クイーンはモトリー以上に4人のキャラ立ちがはっきりしているのに…
改めてモトリー聴こうとまでは思いませんでしたが(基本好みの音楽ではない)、代表曲『ホーム・スウィート・ホーム』くらいは聴こうかなと思いました。
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