よどるふ

ブルータル・ジャスティスのよどるふのレビュー・感想・評価

ブルータル・ジャスティス(2018年製作の映画)
3.8
閉め切った部屋に漏れる光、ダイニングテーブルに落ちる光、廊下の奥の半空きの扉から入り込む光。『デンジャラス・プリズン』と続けて観ると、「画面の中にどう光をカッコ良く置くか?」をザラー監督は常に考えているように思える。

「光をどう置くか」とはつまり、「画面の“明”と“暗”の占有度を操ること」であり、その志向をこちらが理解した上であちらが繰り出してくる「画面いっぱいの“明”のシーン」の不穏度が凄まじい。直後よぎるトラックの影も“明”を際立たせるためのものなのだ。

銃で撃たれた人体の呼吸や解体など、残虐な“音”に旨みはあったのだけれど、どこか人工的に調合されたような音の作りで不思議な感じがした。目を閉じて想像を巡らせるのがちょうど良いかもしれない。あと、作中のゲームが妙にインディーっぽい作りなのが印象に残った。
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