mrかっちゃん

ブルータル・ジャスティスのmrかっちゃんのレビュー・感想・評価

ブルータル・ジャスティス(2018年製作の映画)
4.5
映画ファンの心に響く最高の残虐刑事ドラマ。
メルギブソンとヴィンスヴォーンの悪徳刑事2人が人権ガン無視の違法捜査をしたことで停職処分となり収入が無くなったから銀行強盗犯から金を盗もうと企む汚れた欲望が入り混じった結果最悪な結果へと転がっていくバイオレンスヒューマンドラマ。

2人が主役ですが、物語が悪徳刑事2人、
銀行強盗犯、出所したばかりの男ヘンリーの視点が入れ替わりながら進行していく事から明確な主人公は居ないと思います。
映画の冒頭と末尾はヘンリーの物語で語られている事から彼の物語でもあるんだと思います。
銀行強盗犯は本気で頭がおかしいので感情移入をする予知すらありませんが、刑事2人とヘンリーは生き方が下手な大人として印象的に描かれているように思えます。
ヘンリーが女性とSEXをしたあと昔好意を持っていたことを打ち明けると私もそうだったと打ち明けられるシーンから受け取ると、生き方を間違えなければ何らかの罪を犯して捕まることは無く銀行強盗犯の手伝いをしなくても済んだのではないかと感じた。

今作が1番徹底しているのは会話シーンの独特な間と妙なリアル感、そして不意に写されることでハッとする突き放すようなバイオレス。
他の映画だったらテンポ感を重視してカットされてしまうであろうシーンがたくさんあります。
張り込みシーンのサンドウィッチを本当に美味そうに食べるシーンは最高。
その後のメルギブソンのぼやきで爆笑してしまいました。
今作の会話シーンの間は短くしたらバランスが崩れてしまうのだろうと直感で伝わります。制作会社のカットしなさいの特命を突っぱねた監督は本当に男だなと思いますよ。
また本筋とは関係のないモブキャラの日常を描くことでより作品のキャラクターがそこで生きているんだと伝わってきました。

そして凄惨なバイオレスシーンは映画的な嘘を極端に排除して徹底されています。
それ故に会話シーンの積み重ねもあり底知れぬ緊迫感があります。
メルギブソンのリボルバー式拳銃の渋いリロードを是非堪能してください。

最高でした。
Sクレイグザラー!