自宅32
たくさんの当たり前があった。
当たり前におこなわれる暴力捜査。
当たり前に持っている差別意識。
当たり前に過ごす日常。
そして当たり前に誰もが人生を生き、そして強い弱いに関係なく死んでゆく。
理由などなく存在するそれらに言い訳や弁解を与えることなく進む物語の中で、強盗犯たちの思考や背景は全く映さず、死にゆく者たちの日常(と臓物)を丁寧に見せることは、かかわることのない誰かの痛みを感じないわたしたちへの警鐘だと解釈した。
強い者が勝つも勝った者が強いもどちらも間違いではないと思う。でも、弱肉強食の世界で勝つこととサファリで獲物を仕留めて強者になることの違いに気付ける人間でありたい。