ヒロシー

ブルータル・ジャスティスのヒロシーのレビュー・感想・評価

ブルータル・ジャスティス(2018年製作の映画)
4.0
びっくりするぐらい鈍重。悪事に手を染める、いわゆる『ブレイキング・バッド』パターンなんだけど(正直元々かなり悪い奴らだけど)、延々と続く地道な張り込みを、汚い咀嚼音付きの食事シーンまでカットせずに見せつけられる。変な切り返し会話のショットとか下手なジェームズ・マンゴールドというか、もはや小津オマージュかもしれないというぐらいターン制。そこに相変わらずのメル・ギブソンの重い演技。しかし、ドラマシリーズの演出が洗練されて物語をスピーディに語っている中で、映画にしか許されない作品であることは確かで、それが逆に新鮮に感じてしまい、結果その辺の100分前後の映画より全然惹きつけられる。

主人公が「政治が苦手」と語るシーンがあるけど、確かにポリティカル・コレクトネス的にはヤバイ奴らしかいませんが、それを肯定するような作品にはなっていません。女性は妻や子供や人質やとみんな形だけ。結構な時間を使って描かれたあの人の最後は、もはや確信犯だろ。
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