horahuki

VAMPのhorahukiのレビュー・感想・評価

VAMP(2019年製作の映画)
2.4
なんじゃこりゃ…。

親に虐待され学校でも孤独なJKミイナは、オッサンに襲われてるところをヘマトフィリアの女性に助けられる。百合な感じで惹かれていく2人の前に吸血鬼が現れ…。

夏のホラー秘宝まつり2019公開作です。
小中理論で有名な小中千昭脚本ってことで、全盛期Jホラーのカムバックか!?と思い期待してた作品。まさかのゲヘナ落ちでしたわ…。

ヘマトフィリアという血液耽溺者を題材にしていて、定期的に人を殺し血を吸う裏の顔とカウンセラーとして働く表の顔を使い分けて生きる女性レイ。彼女と出会ったことで、それまで行き場がなく日常を悲観的にしか見れなかったミイナの世界が変わっていく…って感じで、タイトル通り吸血鬼映画だけど、少し変化球なお話でした。

犠牲者・被害者としての子どもが、加害者である大人に立ち向かうという基本骨子をガッツリ目な百合要素で肉付けして、オシャレなんかダサいんか何か良くわかんない謎な異能アクションで仕上げた笑えないポンコツっぷりが堪んないですね。キャラクターたちの位置取りと移動が異次元過ぎて笑えるレベルなんだけど、そこから繰り出される一撃一撃が全く迫力ないという、わけわかんない演出(笑)一番笑ったのはカサカサ吸血鬼。吸血鬼さんがゴキブリみたいに凄いスピードで壁をカサカサ動くとこが見れるなんて!

『インタビュー・ウィズ・ヴァンパイア』のような暗闇の中見下ろす都会で、作品の方向性を提示するプロローグから派生していく怪しい関係。社会から外れた者同士、互いの存在自体が居場所になっていく退廃的な美しさ。そんな2人が、クソ野郎どもを粛清していくダークヒーロー的世直し映画を期待させるような展開を見せつつも、すっごい閉じた話になってくのがあんまり好きじゃなかったです。あと何度も口ずさむあの曲がもう鳥肌立つレベルで嫌だった。もちろん曲そのものが嫌いなわけじゃないですよ!

多分本作が今年のホラー秘宝の目玉作品なのだと思いますが、去年のホラー秘宝が凄すぎて期待し過ぎたからか正直拍子抜けでした。『残念なアイドルは…』が面白いようなのでそっちに期待!!
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