太陽の膨張による環境変化で、地球丸ごと移動させるSF映画。
権力者によって作り出される英雄譚を見せられた後に、主人公たちのヒロイズムによって助けられるという英雄譚を目の当たりにする。さて、あなたはこの連鎖をどう捉えるの?とも捉えられる。
だから、ただの感動物語として終わらせる事ができたのに、新たな計画に組み込まれている人口を半減させることなどをわざわざ読み上げたのだろう。これは、人類という大きな枠組みを残すことを是とするために個人の人権を侵害することを許容する社会でいいのか。なぜなら、人口が半減する計画は餞別を生むだろうし、それは優生思想とも結びつくだろうし、弱者は切り捨てられるだろうから、観た後に人権をどう考えるのかを問い掛ける。
それと天動説の否定でもある映画の中で、その際たる存在である宇宙飛行士が神頼みをする所などは皮肉だろうか。