praline

PITY ある不幸な男のpralineのレビュー・感想・評価

PITY ある不幸な男(2018年製作の映画)
3.5
静かなる狂気。

なぜこんなことを?幸せな暮らししてんのに?って人は思いがちだけど、心が満たされてるかどうかってわかんないよね。
満たされるってのは金や家族がいるとかじゃなくて、その人が「満たされた」と思うかどうかなわけで。
色々持っていても、注目されたい、愛されたいとか思ってる人間はいるんだろう。

僕だって覚えがないわけじゃなくて、マイナスなことが起きた時に家族に優しくされるのが心地よかったりもするわけだ。
そう思うと誰もがこうなる可能性はあるんだろう。最後のアレまではいかなくとも。

美しい風景と丁寧な暮らしは我々から見るとうらやましい限りだが、登場人物も含め無機質さを感じるのは彼の視点からの心の反映なのだろう。
あれほど整頓されながらどこかもの寂しい心が満たされたのが同情を受けたとき、なのかもしれない。
でも、あんなさほど親しいってほどの間柄じゃない人たちに同情されて嬉しいもんかね?人間の心って繊細だよね。

クッキーくん、お耳がフワフワしててかわいかったわー。
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