翔海

浅田家!の翔海のレビュー・感想・評価

浅田家!(2020年製作の映画)
4.1
家族写真は日常の中にある幸せの1ページ。

写真家になる夢を叶えてくれたのは家族であった。
幼い頃に父から譲り受けたカメラは宝物で写真を撮ることが好きな政志は家族の中心であり、後先考えない行動は家族を巻き込む。写真家を目指して専門学校に進んだ政志であったが、落第ギリギリな状況でも卒業制作で提出した家族写真で校長賞を獲得して卒業をすることができた。学校は卒業したのに職に付かない政志はやりたいことも見つからずにフラフラしていた。そんな政志を見兼ねた兄から仕事の面接をセッティングしてもらうがバックれてしまう。そんな政志に父は優しく寄り添う。ふと、政志は父になりたかった職業を聞くと昔から消防士になりたかったけれど、叶わなかったと父が言ったことから政志はひらめく。そこから浅田家の風変わりな家族写真の撮影が始まる。

家族写真を見ればその家族のことが少し分かるような気がする。
どんな家庭にも写真の一枚はあるだろう。私の家にもアルバムで大切に昔の写真が保管されていた。それは私の記憶にない写真から懐かしい思い出まで見返す度に記憶がよみがえる。私の実家は2年前に引っ越すことになり、荷物の整理をしていたときに家族写真を見つけて夢中になって見入ってしまっていた。幼い頃の自分の姿や若き日の母や父の姿、こんな頃もあったのかと不思議そうに見ていた。私の父は小学生のときに亡くなっているので、父の記憶って少ないし写真を見返すことで顔や記憶が少しよみがえる。それは大切な私の思い出でもあり、形として残っているから大人になった今でも見返すことができている。最近ではスマホのカメラで写真を撮ることが増えて来ているから写真を見返すのもスマホからになってしまっている。写真の良さは物として手元にあることだとこの作品から教えられた。そして、家族が元気なうちに写真で記憶しておくことの大切さも。写真がある限り、その時の記憶は形としてあり続けることが出来る。そして、見返すことで心のアルバムに刻むこともできるだろう。
翔海

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