ちゅにちゃん

ラストナイト・イン・ソーホーのちゅにちゃんのレビュー・感想・評価

2.6
ロンドンの大学に通う女学生の主人公が、自身の住む下宿先で若き女性が殺される光景を夜毎に夢見るようになる。警察に訴えても精神異常者扱いされて信用されない。主人公が友人と真相を探る中で体験する恐怖を描くサスペンス。夢の中に現れる女性は一体誰なのか。母親が精神疾患で自殺した事で自身も母親と同じように神経を病んでいるだけなのか。幻覚に悩まされながらも主人公が抱く葛藤が見事に描かれている。観客も夢で見る光景が夢なのか現実なのか、判別のつかない演出に翻弄される所が面白い。果たして夢に見る若き女性は自身の分身なのか別人なのか。友人と真相を調べるうちに明らかになる驚くべき事実。意表をつく結末に手に汗にぎる。欧米では、高い知能、並み外れた能力を持った人を「gifted」と言うが、本作の主人公も何気なく「gifted」である可能性を匂わせている所が素晴らしい。