ロックウェルアイズ

ラストナイト・イン・ソーホーのロックウェルアイズのレビュー・感想・評価

4.2
ファッションデザイナーを夢見るエロイーズは1人ロンドンへ上京し、デザインの専門学校に入学する。
しかし、寮の仲間と上手くいかず、1人で古びたアパートを借りて暮らすことに。
その晩、新居で眠りについた彼女は不思議な夢を見る。
60年代ロンドンのソーホーで歌手を夢見るサンディと出会ったのだ。
それから眠りに落ちるたびにサンディの夢を見るようになり、次第に心も体も彼女とシンクロしていくエロイーズ。
しかし、ある日夢の中で彼女が殺されてしまい…

評判は良いけどホラーだからと遠ざけていた本作。
しかも、音で怖がらせる系とか一番苦手なやつやん。
でも、年内に観といた方が良さそうなので頑張って鑑賞。
華やかなロンドンの表と裏、光と闇。
夢を追って街へやってきた純粋な女の子たちを待ち受ける男たちという王道の展開に、それ以上のものを見せてくれた。
とにかく没入感が素晴らしい。
60年代ロンドンなんて私にとっては全く知らない世界。
それでも、エロイーズと共に少し不思議な夢の旅を。
麗しいソーホーや明るい音楽の作り出す世界観は、まさに理想郷。
でも、そこに裏が見え始めてそれが悪夢に変わると、装飾や音楽も一気に不気味に見えてくる。
美しくも恐ろしいこの世界観には、もっと浸っていたいとすら思った。
で、警戒してた肝心のホラー描写は、
確かに怖いけど慣れればいけるって感じ。
心霊系であり、ヒトコワ系でもあって、体感的ダメージと精神的ダメージのダブルパンチっていうのもなかなか新鮮だった。
問題になってた性暴力描写。
確かに追体験する形だから、人によっては辛い部分もあるかも。
〇〇〇で立ってる亡霊もかなりショッキングだし…

雰囲気がめちゃくちゃ素晴らしいので、私は賛だけど一応否の部分も。
はっきり言ってラストが雑すぎた。というか茶番だった。
大事に温めてきた世界観やサンディの苦しみが、ネタバラシあたりから崩れてしまった感じがして…
亡霊たちがあまりに人間的で可愛らしく思えてしまった…まあそれは私の問題としても、
主題がブレている気がしたし、急に安っぽくなるし、終いには火事って…
サクセスストーリーもあまりに急で、そこまでの説明がなさすぎるのにも少し違和感を感じた。

やっぱりこの手の作品は鑑賞後にすぐまた観たくなる。
アニャ・テイラー=ジョイの色気とトーマシン・マッケンジーの可憐さも魅力のひとつ。
ちょっと怖いサスペンスくらいの感覚で、ホラー苦手な人にもおすすめです。

ところで、ロンドンの人って何であんなに車来るの確認せずに道に出るんですかね笑
3回くらい💃✴︎🚙でしたよ。