狭須があこ

ラストナイト・イン・ソーホーの狭須があこのレビュー・感想・評価

4.3
予告編で見るストーリーが「マリグナント」とほぼ同じ!と思いながら見に来た

今年の「映画作るの上手い」作品トップ2は間違いなくこの2つでしょう。
かなり僅差でマリグナントの方がおもろい映画だと思ったが、個人的な好みではこっちだわ
どちらの映画も、真相から観客の目を逸らさせるのがべらぼうに上手い。

「あれ?これもしかしてアレか?」と観客が気付くところまでがストーリーに組み込まれていて、「これがアレなら、つまり…」とこっちの脳内を直接次の話へリードしていく。
そしていつの間にか、思惑通りの場所を自分の考えだと思い込まされている…
なるほど…
計算高い!!

ちなみにエドガーライトの音楽のあざとさは私はまあまあ苦手意識があるし、今回もそれだった
ストーリーが音楽に寄せていく作りの映画が多くて、音楽がめっちゃ気になる。話に集中したいんだわ。
というのを入れてもストーリーが好みでした。

以下ネタバレ






取り返しのつかない末路にたどりついた大物の過去編が大好きなの、多分ONEPIECEのせい
炎のなかに座るサンディが美しい。

ただなぶられて、殺されて、それで終わるタマじゃないことが最後にわかってたまらんよ。
しかし地獄に落ちるのだ。
この悲しい、美しさ。

エロイーズを炎の中から突き放す若きサンディ。
こんなにも大物の話を語りながら、この映画はそれでも、次世代のエロイーズの物語なのだ。
というところがお見事でした。
狭須があこ

狭須があこ