LEO

007/ユア・アイズ・オンリーのLEOのレビュー・感想・評価

3.1
名作「女王陛下の007」で結婚式直後に殺された妻、トレイシーの墓参りから始まる第12作目。
まずは、ダイナミックなヘリでのアクションシーン。
なんとリモート操縦でヘリを操っていたのはあのスキンヘッドの宿敵。
言うまでもなくなく明らかに宿敵ブロフェルドなんだが、何で正面から映さないのかと思ったら権利問題でハッキリと登場させられなかったんですねw
しかし折角久々に登場した宿敵を、車椅子ごとヘリで持ち上げて容赦なく放り捨てて葬るんだから、だったら最初から出すなよって感じです。
ちなみに本作のボンドさん、随所で容赦ないです。
敵を葬るのに全く躊躇がありません。

そして今回アクションが凄い!
冒頭のヘリアクションに始まり、お馴染みのカーチェイス、雪上とボブスレーコースでのスキーチェイス、海中引き回し、クライミングなどなど、全て見応えがあります。

さらに主題歌は当時人気絶頂のシーナ・イーストン。
歌声はもちろん容姿もこんなに美しかったっけ?って感じです。

スキーチェイスや最後の敵アジトへの乗込みシーンやわざわざ正面から映せないブロフェルドを登場させた所をみると、本作は「女王陛下の007」へのオマージュ作品なのかな?
自分の中で意識して映画を観る事を始めた頃に観た、非常に思い出深い作品でした。

…でしたが、
正直ここまで連続してシリーズを観て来ると、少々飽きてきた感はある。
あんなに良い印象だった本作も、さほど面白さを感じない。
何故かを考えてみると、ムーアボンドの頃までの007シリーズには決定的に人物の掘り下げが足りないのだ。
例えば今回は、「メリナは両親を殺された→だから復讐に動き出す」という動機は成立しているのだが、それは観客への情報の域を出ていない。
メリナがどういう人間で、どう感じて、だからこういう行動をするのだという事は全く掘り下げられていない。
スケーターのビビもそう。
なんで一目見てボンドとベッドインしようとするのかとか、人物に関しては全て「こういう時にはこうするものだ」的な定型文で片付けられている。
だから残るはアクションなり映像なりで視覚に訴えるしかない。
そりゃあ、空・海・山・宇宙ともうやり尽くした感のあるシリーズで、目的達成のカタルシスもなけりゃ飽きて来るわなw

さぁムーアボンドは残り2作。
オクトパシーを挟んでシリーズを再生させた印象のある「美しき獲物たち」の感想はどうなるか!?(「オクトパシー」は問題外かい!w)
LEO

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