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パンドラムのごはんのレビュー・感想・評価

パンドラム(2009年製作の映画)
3.3
 SFパニックホラー。他惑星への移住のための航行の最中、冷凍睡眠から突然目覚めたクルーが船の異常を察知し奔走する。

 引き込まれるアバンと、ある点において綺麗に収まる終盤はよかった。状況の真相と、まさに人の業といえる悪役の動機がかみあってて気持ちが良い。

 しかし、上記を除く本編の9割はお化け屋敷体験ムービー。例によって都合のいい記憶障害の主人公と観客は目線を共有し、よくわからないクリーチャーから逃げながら目的地に向かうのみ。これらは結果から言えばホラームービーとしての状況作りのための設定でしかなかった。

 後になるにつれ状況に詳しい人物と邂逅できて真相が判明していく構成だが、彼らが数ヶ月あるいはもっと長く生存しているという設定上の事実が恐怖をそぐし、だとすればあのクリーチャーどもは何者なのかというミステリーに気合を入れてほしいところだが、これがまさかの結果だった。

 パンドラム症候群という設定も、ドラマを重ねず狂気を描くための小道具にすぎないように思えた。なんだか曖昧でモヤモヤする。

 たった一つの真相(解体すれば一応3つくらいあるが)が明らかになるまでに、それと関係ないお定まりのホラークリシェを延々と繰り返すという、そもそものプロットの厚みが不足していた作品だったと思う。藤子F不二子なら6Pくらいで収めるんじゃないかなこれ・・・

 ただ、要所要所で綺麗な映像、禍々しい退廃的ビジュアルが拝めたことと、それらがかもしだす船の棺桶めいた雰囲気は良かった。本国のポスタービジュアルもなかなか。