浅田美代子演じるエリカが崩れていく人生とそれを取り巻く家族や性、金、欲望などの生々しいテーマを写した作品。樹木希林さんが、どうしても浅田美代子に主演をしてもらいたかったから、と希林さん自ら企画を考えて演出にも携わったと聞いたら観ない理由がない。
最後まで希林さんは自分が出演することは拒んでいたそうだが、周りに押されて出ることに決めたそうで、「私が出ちゃうと映画の格が上がっちゃうんだよ〜」って言ってたらしい。希林さんらしいなぁ。笑
日比監督はオーバーな演技を好まず自然な姿の演技を好み、OKが出るまで時間がかかることもあったそう。上映後の舞台挨拶でそう語っていて納得。通りでフィクションのようなカメラワークも多いわけだ。これらも希林さんが提案したのかはわからないが、とにかく全体的に暗い描写でドロドロしていて観ていて心苦しくなった。朝から観る映画ではないです！笑。
でもそれも含めて監督や演者の思う壺だったんだろうか、見入ってしまっていた。
エリカの人生は、一歩間違えれば誰しもがなりうる可能性があった。エンディングの中で実際の被害者にインタビューがあったが、誰が悪いとかではなくてエリカ含めて皆んなが被害者だったのだろう。重いテーマで生き方について考えさせられる作品だった。
