ひさかた

モービウスのひさかたのレビュー・感想・評価

モービウス(2022年製作の映画)
2.9
遺伝子の欠陥。
生まれてからずっと身体の制約が伴ってきた。日に3回もの血液交換をしないと容易に失われてしまう生命。杖がないとひとりで歩けない脚。とうに筋力もなく痩せ細っている体。
果たして血管が健康な血を運ぶ日は来るのだろうか。
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幼少期から苦しんでいた病の治療法を研究し続けてきたマイケル・モービウス博士。研究の末、コウモリの血清によって生み出したキメラ細胞を自身の体内に注入するという、危険な治療法を編み出す。
マウス実験の成功を受け、自身の体で人体実験を行うことに。
しかし、実験によって健康な体を得た代償として、血を飲まなければ飢えを満たせない吸血コウモリのような存在となってしまう……。
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なんて立派にあらすじを書きましたが、なかなかに厳しい作品でした。予告、すごくよかったんですけどね。
魅力的な題材で、これだけしか描けない制作陣にだいぶ失望です。

いちばん良いところ。主演2人の演技ですね!
性格もビジュアルも対照的なふたりか親友で、そして互いに違う道を歩んでいくというところの切なさ。
マウロがいい悪役してます。憎めない感じ。本作の明るさはすべてマウロによるものです。彼がいなかったら本当に気持ちも画面も暗いままだったでしょう。

また、画面の構成で萎えちゃうところが結構ありました。
例えば。モービウスは幼少期から足が悪く、杖がないとひとりで歩くこともままならない生活です。靴紐を結ぶことも難しいくらいです。それなのに、彼のラボの本棚は自身の2倍くらいの高さまであり、上までびっしりとなんだか重そうな本が並んでいます。むしろ、ここは上の方は本を置かない方がモービウスのラボっぽくて良いのでは?と思ったり。

ハードルは低くして見た方が良いです。わたしはかなり残念に感じてしまいました。
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