きみどり

ナイル殺人事件のきみどりのレビュー・感想・評価

ナイル殺人事件(2022年製作の映画)
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ミステリ小説は三回目まで犯人を忘れて楽しめる、エコなクリスティーファンことわたくし、『ナイルに死す』も当然きれいさっぱり忘れていました。

ところでポアロといったらやはりデヴィッド・スーシェの刷り込みは絶大ですな…。ブラナーは顔が四角だし。いえ、個人的な好みで言ったら男性は顎がゴツくあるべしと思いますが、ポアロのお顔は卵型なのよ!

王立演劇学校を主席卒業したサー・ケネス、真面目オブ真面目すぎてときどきお話がつまらん時がある。マイティ・ソーとか。
やっぱり彼のポアロも、終始ウ◯コ食ったみたいな顔して(by車寅次郎)いささか深刻すぎるのですが、軽妙とか冷笑を重んじすぎた余り行き着いたのが今の世の風潮ならば、真面目とか誠実さって大事だなと、この頃しみじみ思います(自戒込み)。

アガサ・クリスティーという、シェイクスピアと双璧をなす英国文学の至宝にケネス・ブラナーが真面目に取り組んだ、ゴージャスな映画でした。

冒頭が一次大戦に従軍したポアロのエピソードから始まり、これは予期してなかったため思わず泣いてしまった。
戦争って結局のところ、若者の無駄死にでしかないんだよ。
きみどり

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