竜平

アーミー・オブ・ザ・デッドの竜平のレビュー・感想・評価

3.4
移送中に逃げ出してしまう一体の未知の生物と、それをキッカケにラスベガスにて蔓延してしまうゾンビの大群との攻防を描く。ザック・スナイダーが『ドーン・オブ・ザ・デッド』以来17年ぶりに世に贈るゾンビもの、及びサバイバル系アクション映画。

個人的には昔ちょい苦手意識のあったゾンビもの。徐々に触れていってわりと楽しめるようになって、で今作も気になっての鑑賞。主演にはドラックス、じゃなかったデイヴ・バウティスタ。日本から真田広之も少し出演。まず今作の特徴としては、どうやらわりと早い段階でゾンビ騒ぎの鎮圧と隔離に成功したらしく、無事な地域も普通に存在しててなんやかんや世界は正常に動いてるという、そんでゾンビで埋め尽くされている地というのがカジノで有名なあの「ラスベガス」、つまりは大量の金が宙ぶらりんになってるぜってな設定。これを映像と音楽のみで説明していくオープニングなんかは『ウォッチメン』あたりを思い出すんだけど、つまりはスナイダー映画特有のスローを基調とした魅せ方、とそれによるアクションというのが全編通しての見所だったりする。この世界観たまらなく好き。銃でブッ放す様だったり、この状況下で巻き起こる人間模様というのもやっぱり楽しい。で、肝心のゾンビもまた従来のものとはちょっと違う感じ、とまぁこれは話が進む中でその都度説明されるから省略。そんなこんなでちょい設定が細かい分、粗とまでは言わないけど疑問点やツッコミ所が目立ってしまうのも事実。個人的には上映時間の長さも相まって、段々と御都合主義な展開に見えてきてしまったというところ。発端となる最初の一人?一体?の説明もせっかくなら今作の中でしてほしかったなーとか、これは個人的な見解ね。

終盤は登場人物の身体能力的なとこで気になってしまったりして、んー、なんとも。大の大人を軽々と吹っ飛ばすほど怪力を持つラスボスと案外素手で渡り合えちゃう主人公とか、そんで、もはや最強かと思いきや意外とあっけないそのラスボスとか。そーなると設定とかももっともっと直球でよかったんじゃないかなとか思ってしまうけど、そんなのはやり尽くされてるだろうし、難しいねー。ゾンビものって、やり尽くされてるからこその過去作のオマージュとかあったりするのかなどうかな。とりあえずまだ100%で楽しみきれてない俺はもっかい出直してきますね。お後がよろしいようで。
竜平

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