このレビューはネタバレを含みます
92年生まれのデジモンドンピシャ世代です。
当然だけど、僕達が住む世界にデジモンはいない。そんな僕らと、しかし世代は近しい主人公たちの物語。
『子供達の成長のエネルギーでデジモンが進化する』
成長することを止めることの象徴として扱われる「大人」。そして大人になるとデジモンとのパートナー関係が解消されてしまうというのがこのストーリーの肝。
彼等がデジモン無印のなかで色んな経験をして経てきた成長。それって僕達もきっとこの世界でしていて。
宿題を終わらせるために必死で机に向かった日。部活に懸命に打ち込んだ日。恋に落ちて敗れた日。きっと色んな所でぶつかって成長して進化していた日々。
日常のなかで成長することを止めてしまったのは今の僕らも同じで、そんな僕らには刺さりすぎる話でした。
私は今27歳。気が付けば4年経っていた大学生活の末、「本当にやりたいこと」を見つけるために大学院進学をし、夢を見出し勇気をだして異業種に飛び込んだ過去があります。ヤマトの院進学への思いには心に響くものがあったりもして。
きっと経験と成長を見守ってくれているパートナーは僕らにもいて。それを具現化して表したのがデジモンなのかなって。
ヤマトの「無理な進化はパートナーとの時間を縮めることになるんだぞ」っていうのも、大人を目前に新たな決断、進化をすることへの不安を表しているし
最後の「また会いに行くからな」って言うのは成長していた日々で見つけた夢を掴むことへの決意ととれて。
冒頭に書いたけど僕達の世界にはデジモンはいない。僕の横にはアグモンはいない。
それでも、きっとパートナーのいるところで沢山の経験と成長をしてきていて、その先に今があるんだなって思わせてくれる作品でした。
僕もこれからも進化していきたいなって思いました。
世代なのもあるかもしれないけど、本当に最高な作品を観れたと思います。