たりほssk

シュヴァルの理想宮 ある郵便配達員の夢のたりほsskのレビュー・感想・評価

4.2
~「アート=芸術」とは何なのか~

人間が持つ計り知れない潜在能力、そして可能性を感じました。建築や美術の知識など全く持たないシュヴァルでしたが、絵はがきに見る異国の地などから自分自身のイメージを膨らませ、33年かけてついに自分の理想宮を造り上げました。
純粋に自分の造りたいものを造る、これこそが「創造」なんだと思います。「創造」するのに美術や建築の教育を受けることが本当に必要なのか、という問題提起でもあると思います。とても難しい問題ですが、物事の判断基準を外から学ぶと、それは自分をある枠にはめてしまうことになるかもしれません。そのような制約を全く受けなかったシュヴァルの芸術からは、彼独特の思想とエネルギーに満ちあふれ、圧倒的な存在感を放っているように思えるのでした。
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