Nanami

主戦場のNanamiのネタバレレビュー・内容・結末

主戦場(2018年製作の映画)
4.6

このレビューはネタバレを含みます

 自分の非を棚に上げて他人を批判する。情報を自分の立場にとって都合よく解釈し、捏造や誇張をする。人種を根拠に自分が他人と比べて優れていると信じる。自分にとってマイナスになる状況を作らないよう権力を使って情報操作し表現の自由を脅かす..…こういうことを平気でやる人が政治界に確実に一定数いる中で、日本が平和って一体誰がいつ言ったんだろう。

ここまで一つの問題に関して目の前で対立が起こるとなにも信じられなくなりそうになるけど、そうやって蓋を閉じて無関心でいることによって“今”があるならその無関心はなによりも危ないのかもしれない。

 大枠で考えてみても、歴史的解釈、法律、経済や外交、国際的な立場の話において対立があるのは、少なくとも人間として当たり前のことが出来てない人の影響は確実にある気もした。でも、その当たり前もあくまで私にとっての当たり前だし、この映画に出てくる人がたまたま出来てないのかもしれない、、?この映画の製作者だってもちろん自身のメッセージに乗っ取って映画を作るなら対立の上での偏りがあるのは間違い無いし、描かれかたに差があったのも感じた(右派の人の和訳に違和感覚えたのは私だけじゃないはず、、)

それでも結局自分が人間としてどう生きていくかにおいて、知ること、聞くこと、見ることだけじゃなくて想像すること、考えることを行った上で、行動・意思表示することは忘れたくないと思った。

あと、思考が人相に出るって言うけど、どうなんだろうね。ものすごい優しい、説得力もつゆっくりとした口調で、差別的発言してる人を見たとき、思わず目を逸らしてた。こういう人とはこれから先で出会いたくないと思うけど、多分これを書いてる電車の中にも数えられないくらいいるのも現実だし。関わりたくない人には、あえて興味を持って想像力を働かせて、自分の視野を広げるつもりで接することで関係築けると思ってた昨日までの自分は、いざ目の前に対峙したらその人に向かってなにか言えるのかな、、、、

愛知トリエンナーレを会期終了まで迎えられなかった日本はこれからどうなるんだろう。
Nanami

Nanami