Nakao

ニノチカのNakaoのレビュー・感想・評価

ニノチカ(1939年製作の映画)
4.8
監督はエルンスト・ルビッチ、脚本は愛弟子のビリー・ワイルダー。

クラシック映画だからと侮るなかれ。「グランドホテル」を見て以来苦手だった笑わない女優、グレタ・ガルボ。そんな彼女のイメージがガラッと変わるウィットに富んだラブコメでした。会話の一つ一つがおしゃれで面白い。俺の脳味噌とセンスじゃ一生かかっても出てこないような洒落た台詞がわんさか出てきます。

冒頭のズッコケ共産主義おじさん三人組がもうかわいい。高級ホテルに驚き、スイートルームに泊まるために同志レーニンの教えもねじ曲げちゃうのね...おまけにルームサービスでどんちゃん騒ぎ。

なりよりも魅力的なのはグレタ・ガルボ演じるニノチカ。筋金入りの女性共産主義者の彼女がプレイボーイのレオンの話術によって絆され笑顔を見せていく様がもうかわいい。あんなにコロリと恋に落ちちゃうもんか?と、最初こそ思えど戦争を生き抜いた女軍曹のルンルン姿が愛おしすぎるのでさほど気になりません。

メイド=萌えという日本のオタク文化の源流を垣間見ました。ある程度ロシア革命、レーニンの知識があった方が楽しめます。
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