イチロヲ

ブードゥーマンのイチロヲのレビュー・感想・評価

ブードゥーマン(1944年製作の映画)
3.5
行方不明の従姉妹を捜索する新婚カップルが、亡き妻を蘇生させようとしている科学者(ベラ・ルゴシ)の存在に気づかされる。ブードゥー教の蘇生術を題材にしている、初期ゾンビ映画。

妻のゾンビ化に成功した科学者が、若い娘の魂を転移させようとする。しかし、魂と体が適合しないと、数分間しか妻の精神が蘇らないため、つかの間の再会しか得られない。「(物語的に失敗するだろうけど)とにかく頑張れ!」と応援してしまう自分がいる。

科学者の周囲には邪魔者を一網打尽にできる便利な技が一通り揃っているのだが、ここぞと言うところで駆使しないカックン状態。主人公がすり抜けられる穴が、あらかじめ用意されているような作劇。

「グルグルした管を配置しておけばオッケー」的な実験室と、「呪術師に詠唱させておけばオッケー」的な地下室が面白い。そして、ヒロインが「映画で観たことあるわ。たしか、ゾンビっていうのよ」とメタ発言してからの、茶目っ気ラストが楽しい。
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