sonozy

涎と永遠についての概論のsonozyのレビュー・感想・評価

涎と永遠についての概論(1951年製作の映画)
-
「レトリスム(文字主義)」は、ルーマニア出身の詩人イジドール・イズーが第二次大戦直後にパリで創始した前衛的な芸術運動。シュルレアリスムとダダイスムの理念を継承し、詩作からはじまり、映画、演劇、彫刻、絵画、写真、ダンスと多方面で既存の芸術形式を解体するラディカルな表現を追求した。主要なメンバーには他にモーリス・ルメートル、ギー・ドゥボールらがいる。その表現は、スタン・ブラッケージやゴダールらにも影響を与えている。

という、初めて知った情報からの、イジドール・イズーが1951年に制作したレトリスム映画第一作。なんとも不思議なタイトル。

リーゼント風ヘアのダニエルという男(イズー本人)が街をぶらつく姿、街の人々、建造物をバックに、チャーリー・チャップリン、エリッヒ・フォン・シュトロハイム、ルイス・ブニュエル..etcによる革新を称えつつ「既存の映画を破壊する!」宣言(アナキスト!など野次の声も入るのが面白い)と、その実践。既存のフッテージ映像をペイントやスクラッチで破壊しつつ、映像とは関係のない音声(背景には呪術的な人の声によるリズム)が流れ続ける。

怒涛のメッセージ量(英語字幕)なので、十分理解出来てませんが、「芸術は爆発だ!by 岡本太郎」的なパンクなクリエイション活動の一端を体験できました。
#mubi
sonozy

sonozy