yama

歎異抄をひらくのyamaのレビュー・感想・評価

歎異抄をひらく(2019年製作の映画)
3.5


歎異抄って言葉を初めて聞きました。そんな作品があるんだって、初めて知りました。
人はみな悪人である。それが前提としてあって、悪人こそが救われる。
南無阿弥陀仏、いい人も悪い人も救われるという教え。

私も小さい頃、死んだらどこにいくんだろうとか地獄は怖いなぁとか知らず知らずのうちに宗教と触れ合ってきていたけど何にも知らないんだなって、どういう教えなのか、どう言う意味なのか、とかそのバックボーンとか何も知らなさすぎたなって思いました。

耳をすませば聞こえてくるものがある。

本当に怖いのは、南無阿弥陀仏を疑う心ってセリフめっちゃ怖いわ。信仰宗教だね。
なんか本当に救いたければもっと阿弥陀に染まれみたいな話も怖いわ。ちゃんと説得力があるから尚更ね。

悪人こそが救われるっていうのは極楽浄土に行けるよって将来の安定の話ではなく、悪人こそ阿弥陀仏の本願で心が救われるべきなんだって話。救うってのは心の話。心の悪人の話なんだよね。

幸せでありなさい。誰もが大切な人に思うこの気持ちがあるとして。宗教とは関係なく幸せでいられる善人は、必要ないかも。でもこの阿弥陀仏を聞くことで幸せになれるのであれば救われるのであれば心の悪人には必要なんだろうなって思う。そうしたら明るい気持ちでいられる人が増えるのかも。

ただ宗教の怖いところで依存度?みたいなのがある気がして、すべて教えに頼るというかそういう弱い人も出てきてしまう。それこそ心の悪なんだけどそう指摘できる人、自分で気づける人は少ないからやっぱり怖いなって思う。そんでこの映画はその怖さが少し垣間見れる。

悪人を救うって言うのを聞くと、みんな自分が善人だと思ってるし善人になろうとして生きてるから、どうして悪人を救うの?神様は不公平なの?って思うけど、ここで言う悪人っていうのは心の問題で病んでしまった人や不道徳なことをしてしまうようになった心を元に戻してあげたいとかそういういい人に戻してあげたい、心を救ってあげたいって言うことなんだよね。勉強になりました。

本当にいい考え方とか、教えが沢山あるだけに、宗教という言葉だけで批判されたり厭われたりするのはもったいないなって思う。
だからこれから宗教とは、依存しすぎず、いい距離感で付き合っていきたいなと思う。
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